『ねぇ…ちょっといい?』
「ん…??? どうしたの?」
『おもちに聞きたい事があるんだけど…
もしもさ、もしもの話だよ?
自分と誰かがどこかに閉じ込められて
どちらか片方しかそこから
出れなかったらどうする?』
「どちらか1人だけ…?
う~ん…悩むなあ
おもちだってお外に出たいから
選ぶのなんて難しいよ」
『ふ~~ん…そうだよな…』
「あ、でも相手がろっくだったら
話は変わるかな」
『何よソレ
俺だったら見捨てるつもりとか?
それとも逆に恩を着せる為に
俺を見逃してくれるの?』
「そ、そんなひねくれた捉え方しないでよ」
『ふん、悪かったよ、変な事聞いて
やっぱり誰もが自分は可愛いもんなのか』
「アハハ、おもちは我儘だから
否定は出来ないよ
ろっくが閉じ込められたらと
思うとそれこそね
『やっぱり見捨てる一択じゃねぇか
他の人と変わりないじゃん』
「何言ってるの…
二人で一緒に残ればいいんだよ」
『』
「ろっくもおもちと同じでずっと
一人ぼっちだったんだよね
外に出たい気持ちは分かるよ
だからさ、例え閉じ込められたとしても
二人で一緒に居れば
もうどっちも寂しくないんだよ」
『』
『ね、ねえ…おもち…
お、俺と友達になってくれない?』
「もちろん!」
林檎 と 蜂蜜
紅茶のジャムは アプリコット
銀色のティースプーン
壁に放り投げた
早く遊ぼうよ
人形は何にも喋らない
ひとつしか知らない
歌を唄ってみるの